毛根というのは「毛の根元のふくらみ」のことであると誤解されがちですが、実は皮膚の下に埋まっている部分すべてが「毛根」です。
この毛根部分において、毛が生える働きに深くかかわっているのが
の3つです。
バルジ領域とは、毛を形作る毛包幹細胞(発毛因子)をたくわえている部分です。
毛包幹細胞は、毛の種となる幹細胞です。体毛だけでなく、表皮や皮脂腺などあらゆる細胞に分化することができる細胞です。
バルジ領域は、毛根の中でも比較的浅い部分に存在します。
毛母細胞は、バルジ領域の毛包幹細胞が分化することでできる細胞です。
毛包幹細胞を「種」だとしたら、それが一段階進化した「芽」のようなものとお考えください。
毛母細胞が細胞分裂して角化したものが毛であり、毛母細胞が分裂を繰り返すことで毛がどんどん成長していきます。
毛乳頭とは、毛母細胞に細胞分裂のための栄養や酸素を与える部分です。
バルジ領域の毛包幹細胞が毛乳頭へと移動することで、毛包幹細胞が毛母細胞になると言われています。
毛乳頭は、「種」を発芽させ育てるための「植木鉢」のようなものをイメージしていただければわかりやすいかと思います。
断面図を見ただけでは、毛を抜けば毛乳頭もいっしょにポロっととれてしまうように見えますが、どれだけ慎重に強く抜いても、毛乳頭が抜けてしまうことはありません。抜いても抜いても毛が生えてくるのは、そのためです。